株式会社キャンサースキャン

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社会を変えるために
私達が提供できることを説明します。

受診率向上事業

調査研究・学術研究

コンサルティング

がん検診・特定健診等の受診率向上事業

行動科学の知見とソーシャルマーケティングの手法を活用し、各種検診・健診の受診率向上に貢献。
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エビデンス分析~これまでの調査、研究を精査~

<メッセージ開発のおおまかな方向性を探る>

やみくもに思いつきでメッセージを開発するのではなく、過去の研究や調査などから分かっていることをすべて調べ、整理します。すでによくまとめられた状態 で公表された資料はもちろん、弊社独自で多くの論文・記事なども収集しまとめていきます。これをシステマティックレビューと言います。
このプロセスを経ることで、これまでは「当然」と一般的には疑っていなかったことが実は間違っていた、と分かることもあります。例えば米国疾病管理センター(CDC)のシステマティックレビューにより、メディアに取り上げられることを目的としたキャンペーンを単独で行うだけでは、がん検診の受診率は向上しないことが明らかになっていました。(図1)

エビデンス1

[図1]

<対象者の分類>

またエビデンス分析を行うことで、どの対象者集団がターゲットの中心として適切かということに関しても明確になることが多々あります。

「ひとつのメッセージによって全員が一気に同じ行動を起こすこと」は通常ありえません。たとえば、がん検診の未受診者はひとつのグループではなく、「無関 心者→関心者→意図者」の3つのサブグループ(セグメントと呼びます)に分かれ、それぞれに異なる深層心理を持つため、異なるメッセージ戦略が必要である ことが分かりました。

そして実際、日本の乳がん検診について、平成16年から19年にかけてのデータを分析したところ、ピンクリボンキャンペーンなどの乳がんに対する啓発活動により、乳がん検診に対する意識は大幅に向上していました。いっぽう、この時期に、受診率はあまり向上していないことが分かりました。(図2)
また、米国疾病管理センター(CDC)のシステマティックレビューにより、「マスメディアのみ」のキャンペーンは受診率向上の効果の証拠が不十分であるいっぽう、手紙等を用いた受診勧奨・再勧奨(コール・リコール)の手法については、効果があることも分かりました。(図1)

エビデンス2

[図2]

マーケティング調査~定量調査、定性調査でメッセージの方向性を決定~

メッセージ戦略(どのターゲットにどのようなメッセージを発信するか)を具体的に固めるため、マーケティング調査を行います。

おおまかな流れは、「インタビュー調査(仮説構築)→ アンケート調査(仮説検証)」です。

<定性調査(インタビュー調査)>

このような経験はありませんか?
アンケート調査を行い、データを出してはみたけれど「それで?」となってしまう。

それはアンケート調査で検証すべき仮説の構築が不十分であるからであり、仮説構築をしっかり行うためにはインタビュー調査が欠かせません。

乳がん検診の例でいうと、下記のような疑問を念頭にインタビュー調査を行いました。
・がん検診の未受診者である「無関心者→関心者→意図者」の各セグメントは具体的にそれぞれ何が異なるのだろう? がんに関する知識の差だろうか?がんに対する恐怖だろうか?検診に対する面倒くささ  なのか?
・「無関心者→関心者→意図者」に対して何をどのように伝えれば、実際に検診を受けるように行動する  だろうか?

インタビュー調査実施には、具体的には、「無関心者→関心者→意図者」の各セグメントからそれぞれ6-10名程度をリクルートし(リクルーティングは調査会社に登録しているモニターから抽出します)、
インタビュールームに来てもらった上で、元々用意していたインタビューフロー(質問リスト)に基づいてインタビューを行います。対象者一人あたり1時間程度をかけます。

実際に、未受診者を3つのセグメントに分け、インタビュー調査を行った結果、「受けない理由」に関する仮説が構築されました。

調査1
<定量調査(アンケート調査)>

インタビュー調査で構築した仮説は、この状態ではあくまで仮説なので、
より多くの人を対象としたアンケート調査を行い、量的に検証することが必要です。

アンケート調査実施にあたっては、「仮説をどのように検証するか」という戦略によって調査設計が変わってきます。

調査設計をする上で重要なことの一つに、必要なサンプル数の計算があります。
「だいたい500ぐらいでいいかな」と感覚的に決めてしまうのではなく、
「何と何の差を検出したいのか」「分析をどこまで細かくやるのか」「どのような解析手法を用いるのか」等、様々な要素を考慮して決める必要があります。

また、質問項目の設定には細心の注意を払います。「聞き方(質問項目)」によって、得られる答えが大きく変わるからです。

例えば、がん検診の未受診者を対象に、「未受診理由は何ですか?」と単純に聞いてしまうと「面倒だから」という結果が出ます。

しかし、受診者にとっても「がん検診を受けるのは面倒なもの」です。
ですから、受診者がなぜ・どのようにその面倒くささを乗り越えてまで検診を受けたのかに対して仮説を持ち、それを検証する質問項目を設定しなければいけま せん。実際に、仮説をもとにアンケート調査を行ったところ、仮説どおりそれぞれのセグメントによって検診に対する意識や受診への障害などに対するイメージ が大きく異なっていました。

調査2
<メッセージ開発~受診・予防行動に向かわせるための啓発メッセージの開発、ツール制作>

一番大切なことは、情報量をそぎ落とし、本当に大切なひとつの概念を伝えることに集中することです。

(「これさえ伝えることができれば人は動く!」というところまで突き詰めておく必要があるため、
メッセージ開発の前にマーケティング調査を行う必要があるのです)。

情報が盛りだくさんのメッセージは、多くを伝えているようで、実は何も伝わっていないものがほとんどです。
メッセージを作るというとそのメッセージの中身が一番大事だと思われがちですが、
実際はそのメッセージを「どう見せるか」というデザイン・レイアウトも同じく、大切なことです。

具体的には、マーケティングで用いられるSTOP→HOLD→CLOSEのルールを活用してメッセージを作成します。

・人の注意をひき、目をとめさせるSTOPの要素
・読む人の注意を興味に変えて「へー!」と内容を読ませるHOLDの要素
・行動に向けて最後に背中をひと押しするCLOSEの要素
に分け、戦略的にメッセージを組み立てていくことが重要です。

メッセージの案ができたらすぐに印刷して完成というわけではありません。
実際にそのメッセージにふれた対象者が行動を起こすつもりになるかを最終的に確認します。
具体的には、再度数名のインタビュー調査を行い、対象者にメッセージを見てもらった上で
・こちらが伝えたいと意図していたことがきちんと伝わっているか
・(伝わっているのであれば)そのメッセージは行動を促すか
・何か誤解が発生していないか・分かりにくいことはないか
という観点でインタビューを行い、多くの場合、メッセージの微修正を経て、完成します。

メッセージ
<効果測定~何を指標とし、どれと比較するかもポイント~>

そのメッセージを発信した結果、本当に行動が起きたかどうかを確認するという効果測定のプロセスを経るかどうかで、マーケティングの質には雲泥の差が表れます。

マーケティングには
「効果が測定できないものは、そもそもきちんとコントロールができない」という言葉があり、
「良さそう」なマーケティングアイディアであっても、効果の測定ができないと判断したものは、そもそも実施することをやめることさえあります。

どんなアイディアでも最初からうまくいくということはありません。
効果を確かめながら、そのマーケティングアイディアを改善したり、中止したり、拡大したりと常にアクションを取ります。

さて、効果の測定を適切に行うためには、
・最終的に何を結果として測定したいのか
・何と何を比べるのか  などを明確にする必要があります。
たとえば、○○市が主催する健康フェスタの目的は「市民の健康意識の向上」ですが、
健康フェスタの事業報告書では「当日××人を超える来場があった」と記されていたりします。

もちろんフェスタ参加者数は中途の評価指標ではあるのですが、本来的には市民アンケート調査において
「市民の健康意識」をきちんと評価しないと、お金と時間を使ってやる意味があるのかどうか判断は難しいです。

また、何と何を比べるかというのも非常に重要なポイントです。
たとえば、がん検診のコール・リコール(受診勧奨)事業を実施した場合、
新しく作成したがん検診リーフレット送付の効果を確かめるためには、
そのリーフレットを送った人たちの受診率をみるだけではなく、
従来使っていたチラシを送った人の受診率・何も送らなかった人の受診率などと比較する必要があります。

昨今は財政も厳しく、効果が証明できない取り組みは中々継続的に予算がつかない状況ですので、新しいアイディアを守るためにも効果を証明していくことが大切です。

キャンサースキャンの乳がん検診の取り組みの一例として、実際に、介入群には新しく作成したメッセージを送付し、対照群には従来、市で使っていたチラシを送付したところ、受診率が3倍以上に向上しました。

効果

検診・健診の受診率向上に関する調査研究事業

大学、国立研究開発法人に対し、受診率向上につながる検診のあり方や、普及啓発方法の開発、研究事業を実施。

<実績>

●「受診率向上につながるがん検診の在り方や、普及啓発の方法の開発等に関する研究」
(国立がん研究センター・厚生労働省科学研究費)

●「ソーシャルマーケティングを活用したがん予防行動および がん検診受診行動の普及に関する研究」
(国立がん研究センター・がん研究開発研究費)

厚生労働省等へのコンサルティング

市区町村、厚生労働省等に、がん対策計画策定、各種検診・特定健診受診率向上のためのコンサルティングを実施。

<発表実績など>

●平成23年度がん検診受診率分析事業において受診率分析業務を受託

●厚生労働省 第4回がんに関する普及啓発懇談会に参考人招致され発表

●厚生労働省 第28回がん対策推進協議会にて、「がん検診受診率の推計」を発表

●厚生労働省 第5回がん検診のあり方に関する検討会に参考人招致され発表

●厚生労働省がん検診受診促進企業連携推進事業アドバイザリーボード委員(平成22年度より現在)

●厚生労働省 「地域・職域連携の推進等による特定健診・がん検診の受診率向上」に関する調査事業
事業協力者として厚労省より要請・委員就任